泣きたい夜には

作者ゆか*



あの頃の私は、どこまでもつまらない女だった。



流されやすくて、利用しやすい、尻軽な安い女だった。




―――誰でも良かったわけじゃない。



ストライクゾーンが広かっただけ。



そう自分に言い聞かせて、自分の言動を幾度も正当化した。






「愛」なんて、ちょっと叩いたら壊れちゃいそうなほど脆くて、残酷だ。



いつだってあたしを弱くして、泣かせる。








そんなものは要らないと言える勇気と度胸が欲しかった。



股を開いて、頂戴と甘い声を出すような女から、卒業したくて堪らなかった。