あの頃の私は、どこまでもつまらない女だった。
流されやすくて、利用しやすい、尻軽な安い女だった。
―――誰でも良かったわけじゃない。
ストライクゾーンが広かっただけ。
そう自分に言い聞かせて、自分の言動を幾度も正当化した。
「愛」なんて、ちょっと叩いたら壊れちゃいそうなほど脆くて、残酷だ。
いつだってあたしを弱くして、泣かせる。
そんなものは要らないと言える勇気と度胸が欲しかった。
股を開いて、頂戴と甘い声を出すような女から、卒業したくて堪らなかった。