無色透明

作者葉月



手のひらに残された

誰かの温もり


記憶として思い出せるものは

何ひとつなく


ただの空虚として

空に浮かぶ


傷跡によって染まった黒さ

純なままで染まらない白さ


俺等が気付きもせずに

繋がっていた絆は透明のまま