西暦2510年の日本。荒廃した“ニホン”と呼ばれるその土地で二人は出会い、運命は回り始めた。
西暦2510年。
ここは、かつて『日本』と呼ばれ、今はその面影だけを残した、
“ニホン”
国とも呼べないその曖昧な土地で人々を統べる者、彼らは曖昧で荒れたこの土地にふさわしいくすんだ赤の名を持っている。
『蘇芳(スオウ)』
眉目秀麗で優秀な蘇芳のボスは、完璧なその力で蘇芳を束ね、この土地を統べていた。
彼が知らなかったのは“恋”だけ。
それは突然に彼のもとに訪れた“恋の歌”だった。