親父の片足は俺が物心付いた時からない。


 「ねぇ…ぱぱは足何でないの?」


 そう聞くまで、俺は大人になると人間誰しもが


 片足を失くすのだとばかり思っていた。


 「足はいつか生える・・・」


 そんな事言う親父が大好きだった――。