━━━春
今日から高校の美佳は、期待だけを抱えていた。
中学の頃、あまり目立たない方の美佳だったが、今日を境にイメージをかえることを決意したのだ。
だから、自分の中学から一人だけでこの学校に来たのだ。
「美佳、そろそろ駅行った方が良いんじゃないの?」
ちなみに電車通学になる。
「わかった!!!」
電車に乗るための定期を胸ポケットにしまい、元気よく、
「行ってきます!!!!」
と家に向かって叫んだ。