死神と呼ばれる黒猫と少女の切なくも暖かいストーリー

 とあるサナトリウム。

そこの中庭には、いつも真っ黒な猫がいる。

最初は追い出されていたその猫も、何度追い出しても帰ってくるので

いつしか、みんながその風景を受け入れるようになった。

そして噂が流れる。

「あそこにいる猫の鳴き声を聞くと死ぬんだって」

着いた名前は「死神」

不吉と言われる黒猫が、サナトリウムの中庭で死神の名を持つ……。

そんな絶望を知った人達の、最大の皮肉にも動じず、黒猫は今日も日向でのどかに眠る。

そして少女がやって来る。