小さいころからずっと隣にいて、それが当たり前なことだった。
隣にいることが当たり前で、これが特別なものなんだって知らなかった。
川崎雛 高校1年。
幼馴染の園田一樹のことが異性として気になっていることに気づき、その気持ちを認めてしまい一樹に気づかれたくなくて違う高校に入学した。そこで、同じクラスメイトの高塚莉子と親友になった。
ある日、一樹に彼女がいることが発覚し、動揺を隠せない雛。何をしていても、一樹に彼女ができたという事実を受け入れることができないでいた。
どうにか、自分の気持ちと向き合い一樹への想いを断ち切らなければいけないと決心した日、朝から熱があるにもかかわらず学校に来ていた雛。おぼつかない足取りで歩いていたけれど、熱のせいで気を失いそうになったところを2年の結城健人に助けられる。彼は、高塚莉子の中学からの先輩で、園田一樹の尊敬するサッカーの先輩でもあった。
初恋なんて実らない。
そう思っていた。