広告代理店で働くサクラは英会話教室で知り合ったアキと付き合って三ヶ月が経とうとしていた。その日アキは海外にある日本語学校で一ヶ月だけ働くことになったと話し、詳しい説明もなく旅立ってしまう。二週間後、アキから届いた手紙には南国の海の写真と滞在が長くなったことが綴られている。それから半年、アキからは時々手紙が来るだけで電話もない。そうして夏が終わる頃、仕事にも息苦しさを感じていたサクラは、会社を辞めてアキのいる南の島に行く決意をする。
だけどアキのいる異国の地を訪れたサクラを待っていたのは、アキとは似ても似つかない青年・秋(あき)だった。彼はサクラに衝撃の事実を伝える。それはアキと名乗っていたのは秋の幼なじみの秋(しゅう)という青年で、彼は半年前にこの海で死んだという事実ーー「アキはどこにいるの?」ーー愛した人は誰だったのか。どうして彼は自ら命を絶ったのか。サクラに届き続けた手紙はいったい……その全てを知るのは、秋だけだ。/これはハッピーエンドではないシリーズ第三弾「秋が呼んだ」