小さな山の頂上にある、忘れ去られた天文台。ある日そこにひとりの旅人が現れた。彼は苔の生えた石畳を杖で叩きながら、そっと朽ちた扉を開ける。そして望遠鏡の側に座り込み待ち続けた。遠い昔に姿を消した、道化師の素顔を知る為に。
これは彼と道化師の思い出話。
あらすじ
目の見えない旅人マイラは、寝台列車の中で仮面の道化師エバリーが仮面を外した瞬間に出会してしまう。動く密室で奇妙な繋がりを持ってしまった彼らは、いつの間にかお互いに惹かれ合っていた。二人の降車駅は同じ『歯車の街』。列車が目的地に着くまでの間に、想いを伝え合う事は出来るのだろうか。