佐伯麻衣は、二十歳の女子大生。
物心ついた頃から抱いていた彼女の夢は、いつか父親のような一人前の弁護士になる事。だが、唯一の身内であるはずの父親は、そんな娘の麻衣に向かって「お前には無理だ」と言うばかり。将来の為にとバイトとして入った数々の弁護士事務所も、彼女の生まれ持った悪運に引かれるような形で次々と廃業に追い込まれる始末だった。
そのような日々の中、ふとしたきっかけで麻衣が出会ったのは、古びた洋館で一人暮らす鳴海俊介という二十八歳の男。皮肉屋かつ毒舌で、生きている人間には興味を示さない彼の職業は、青く輝く『心霊六法全書』を片手に「死んだ人間」=「幽霊」を弁護し、その人権を守る「心霊弁護士」だった。
幽霊の人権を守るという仕事に始めはピンと来なかった麻衣だったが、ひとまず助手として働く事になる。そして、俊介と共に様々な霊案を経験する事で、やがて全く知り得なかった運命に対峙する事となる……。
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