『あの、男性の清潔感は大事ですよ?まずは髪とお髭を整えて。安心してください、私っ。ディートフリート様が“どんなお顔立ち“でも、驚きませんから……!』
***中盤からお砂糖たくさん入った甘いストーリー展開です***
《注意》悪役の断罪ゆるめ(ヒューマンドラマ要素重視、強烈な断罪を望まれる方はご了承ください)
美貌の女神アルジルの再来とも言われる、この国の第一王女を振ったのは——見目麗しい男性とは程遠い『狼(ウルフ)公爵』。
ボサボサの前髪から覗く鋭い瞳、伸びた無精髭。
狼のような風貌と大柄の体躯、威圧的な態度が人々を遠ざける『戦場の銀狼』。
「なぜお前がやって来た?!私が望んだのはお前じゃない!」
不幸を呼び込む忌み子として嫌悪される、赤錆の髪色・瞳に生まれたリリアナは、公爵の美しい城に幽閉され、誰にも愛されず、孤独な『人質ライフ』を送るはずだったのに……。
狼公爵が、何故だかとっても優しいのですけれど?!
*
リリアナ・ケグルルットの鉄錆色の髪と瞳は、不運を呼び込むとされる『忌み子』。
家族からも蔑まれ、世間の嫌われ者として生きてきた。
美貌の妹と違い、大した取り柄すら持たないリリアナ。
強いて言うならば、大好きな『先生』から教わったピアノ演奏の腕前と伯爵家の出自くらい。
妹に持ち込まれた『狼公爵』との縁談を押し付けられたリリアナは、白椿の咲き誇る美しい城に『ケグルルットの人質』として幽閉される。
一方、ディートフリートは公爵家長男として生まれながら、第一王女の縁談を蹴ったことで六年もの出征を強いられた。
彼が戦場に発ったあと家族が不遇の死を遂げ、その悲しみを隠すため『狼』のような風貌を貫いていた。
リリアナがやってきたことで、彼の陰鬱の世界に陽光が差し始めて——。
ファンタジー
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