春、入学式の日に、桜の木の下でたった一人で佇んでいる女の子を見た。中学から内部進学した勇希は高校でもアメフト部に入ろうと胸を膨らませていたが。その女の子が気になって仕方がない。同じクラスで起こるいじめ問題にも関わっている間に、彼女の抱えている秘密に触れる。関わりを持ちたくない彼女の様子だったが、勇希は自ら彼女の問題に踏み込んでいく。
彼女の秘密とは、自分の父親の死についてだった。刑事だった父が殺された理由、その犯人…。一人でその復讐を考える彼女に勇希はできることがないかと悩む。いつしか彼女が好きになっていた。いや、きっと最初に会った時から…。