その日、僕は少女に出会った。
夏本番。蒸し暑くなっていく盆地。この街の真ん中を、
まるでアルファベットのYのように流れる一つの川。
この川のほとりには、昼は観光客、夜は若者の聖地のようになる。
その川は鴨川と言って、この川岸を等間隔で座るカップルの光景はテレビや雑誌などでよく語られる。
実際に鴨川に行ってみると、カップルだけじゃなく地元の人や、弾き語りをする人、何か描く若いアーティスト…と本当にいろんな人がいるのが分かる。
そんな、よくある人の群れの中に、僕がこれから出会う「彼女」もいた。
京都を舞台に『僕』と『彼女』が織りなす、
生きる意味を見つけるための物語。