某国のカートゥーン映画黄金期(1940年前後)の世界に子羊「ラリー・ラム」の姿で移転してしまったレトロアニメ好きな主人公。始めは浮かれたが、可愛い見た目とは裏腹にこの世界には兵役も暴力もなんでもありで危険がいっぱいだった。
貧しい牧場で暮らしながら、ラリーは気付いたことがある。
「この時代の『面白いこと』をすれば生き延びられる」
面白いと認識されれば、この世界の物理法則や時間の流れは捻じ曲がり、思い通りに物事を操作できるのだ。
牧場にピューマのクライド・クーガーが襲い掛かり、ガールフレンドのシャーリーを食べられそうになったラリーは、知識を総動員して必死に抵抗する。
殴られたらくるくる転がって毛糸玉に姿を変えノーダメージに。
瞬間的に手元からかぎ針を出して自分の毛を編んで上半身ムキムキに。
銃で撃たれたら弾丸を非常口から追い出し、クライドの元へ送り返す。
おどける事であらゆる常識を捻じ曲げ、遂にクライドを蹴散らし、ラリーは決意する。
「カートゥーンの主人公として振る舞い、そして生き残る!」
その後、ラリーはクライドに狙われながらもカートゥーン映画の「お約束」を繰り返して生き延び、最終的には元の世界の人間に戻る。