『超能力』や『超脳力』が、超心理工学《メタ・サイコロジニクス》という、西暦の『一周目時代』には存在しなかった、電子工学《エレクトロニクス》に代わるテクノロジーとして普及化された『二周目時代』の『第二日本国』。その一角にある府県相当の行政区画――通称『超常特区』には、下手の横好きなのに、将来専業主夫を志望する、戦闘が嫌いな陸上防衛高等学校の主人公が、ムダな強さと正体を隠して活躍させられていた……。イジメられっ子としての境遇よりも何とか志望通りにしたい主人公の不毛な苦難をお笑い芸人感覚で楽しめる新感覚サイバーパンクアクション!!
*主な登場人物
小野寺勇吾:物語の主人公。職業軍人を養成する陸上防衛高等学校の男子生徒――なのに、女子生徒からイジメを受けるほどの気弱な性格をしている。しかも、その少年が志望する将来の職業は・・・。キャラクターコンセプトは「歴史学が下手の横好きなヤン・ウェンリー」
鈴村愛:ヒロイン。勇吾の幼馴染であり、同学校の女子生徒。超心理工学《メタ・サイコロジニクス》によって記憶操作された勇吾の記憶を元に戻すために奔走する和風中二病少女。だが、その先にある真実は・・・。
観静凛:勇吾のイジメられっぷりをあざ笑う性悪な同学校の女子生徒。なにかにつけて勇吾や愛につきまとう。その真意は・・・。
ヤマトタケル:謎の少年。卓越した戦闘力を有し、幾度も愛や凛の窮地を救う。その正体は・・・。
*主なツール
エスパーダ:超心理工学《メタ・サイコロジニクス》の集大成である三日月状の小型携帯端末。耳の裏に装着することで、装着者の様々な『超能力』や『超脳力』を引き出し、行使することができる。テレパシー通話、見聞ログ、思考ログ、脳内記憶の完全保存、感覚同調《フィーリングリンク》、技能付与アプリケーションなど、一周目時代にあった「スマホ」にはない独特な機能が搭載されてある。二周目時代の人類において不可欠なツール。性能は装着者の精神的仕様《メンタルスペック》や脳力と能力に左右される。
・A・S・N《アストラル・スカイ・ネットワーク》:
西暦の『一週目時代』に存在していた『インターネット』――通称『ネット』に相当する『第二日本国』の情報通信網。その管理が、『A・S・N管理局』で一括されているのが大きな相違点。『エスパーダ』の利用を前提に構築された。ただし、『ネット』と同様、有料である。
・テレポート交通管制センター:
空間転移《テレポート》での人員や物資の交通を管制する、『A・S・N管理局』と同様、超心理工学《メタ・サイコロジニクス》系列のインフラ施設のひとつ。それらを瞬時に目的地へ転送することができる。ゆえに、移動時間はまったくかからないが、利用には『エスパーダ』と『A・S・N管理局』への接続《アクセス》が必須な上に、これも有料。
・記憶銀行《メモリーバンク》:
人間の脳内記憶やエスパーダの各種記録《ログ》などの記憶情報の保存が可能な超心理工学《メタ・サイコロジニクス》系列のインフラ施設のひとつ。記憶情報の保存性に不安のあるエスパーダのオンラインバックアップストレージとして建設された。利用は有料。料金は利用する記憶容量に比例する。利用にはA・S・N《アストラル・スカイ・ネットワーク》からのオンラインアクセスと施設での直接接続の二種類がある。前者は時間・場所問わず利用できるが、通信上の利用料金と記憶情報の転送時間を要する。後者は前者と比較して要さないが、直接施設におもむく必要がある。
・遺失技術《ロストテクノロジー》再現研究所:
遺失した一周目時代の技術の再現を目的に設立された機関。一周目時代の記録が残された精神《アストラル》データベーズの発見が発足の契機である。それと同時に勃発した第二次幕末の動乱もあいまって、近代化の飛躍的な上昇の要因のひとつとなった。超心理工学《メタ・サイコロジニクス》の基礎理論構築の参考と契機となった電子工学《エレクトロニクス》の技術情報も、後にサルベージされた。最近では、科学技術《テクノロジー》だけではなく、芸術や文化などの再現にも注力している。研究費用は、精神界《アストラルワールド》からサルベージした一周目時代の記憶情報や、再現に成功した科学技術や文化・芸術をオークションに出品することで捻出している。
・超異変:
物語開始のおよそ一千年前に起きた宇宙規模の自然災害。それに巻き込まれた超異変前の人類は、日本人をのぞいて滅亡し、その日本人も、弥生時代の水準《レベル》にまで文明が衰退した。物語開始時点では、一周目時代における二十一世紀前期の水準《レベル》にまで回復している。なお、西暦何年に発生したのか、なぜ日本人だけ滅亡をまぬがれたのか、どうやってそれをまぬがれたのか、どうして文明が超異変前の人類の存在を忘却してしまうほどに衰退したのか、現時点では謎に包まれている。
・一周目時代:
超異変前まで存続していた人類の歴史区分の総称。物語開始前に発見したデータベースによって、その存在が明るみになった。歴史の流れと文明の発展が超異変後の人類のそれらをなぞっているため、その総称となった。なぜ精神《アストラル》界にそれがあったのか、どうやってそれに接続《アクセス》したのかは、現時点では不明である。
・二周目時代:
超異変後から物語開始時点まで続いている人類の歴史区分の総称。歴史の流れと文明の発展が一周目時代の日本のそれらを計らずも踏襲しているため、その総称が定着した。一周目時代の日本の歴史と比較すると、文明の発展速度《ペース》が二倍である。
・第二次幕末:
物語開始前に起きた時代の通称。一周目時代の記録が網羅されたデータベースの発見がその始まりである。それにより、二周目時代の文明は飛躍的に向上し、その時代の人類も甚大な影響を受けた。一周目時代、二周目時代という呼称での時代区分、第二日本国という国名の変更、一周目時代の第一次幕末に匹敵する新たな動乱の勃発など、物語開始時点である現代においても、その影響が色濃く続いている。
その他
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