「スクナビコナ」全体のあらすじ
太平洋戦争末期の一九四四年、ミンダナオ島からレイテ島に上陸した歩兵第四十一連隊の鮎川隆一一等兵は、戦闘中に米兵の弾丸に負傷、海に転落した。
ところがウミガメに助けられてタイムスリップし、弥生時代のイナバの海岸に打ち上げられた。
そして、サチホコダルのアメシ族ナムジ皇子に捕らえられた。
ナムジ皇子に武人としてスカウトされた隆一は、「スクナヒコ」と呼ばれ、三八歩兵銃や手榴弾を駆使して西国のウサ族を次々に平定していく。
ナムジが西に勢力を拡大するのは、ツクシに起こった連合国ヤマトの脅威に対抗するためで、反対にヤマトの建国も、ナムジたちアキツ島の急成長に対抗して、大乱状態だった諸国が女王トヨウケを擁立し誓約によって連合したものだった。
隆一は、稲籾の行商中に拐かされ、瀕死の状態にあったサルタ族の少女エヒメを助け、自分の縦穴住居で一緒に暮らし始めた。
エヒメは、男性である隆一を恐がり、打ち解けようとしない。
しかし、隆一の献身的な介抱に、時間をかけて少しずつ心を開き、故郷のトヨの国の加来山姫伝説のことや、女王トヨウケが加来山で歌った国見歌を、小声で歌って聞かせるようになる。
隆一は、エヒメに恋心を抱く。だが、それは口にせず、必ずトヨの国に送り返すと約束する。
エヒメのほうも、体調のいい日は自分から家のことをするようになった。
隆一が戦いで負傷して帰った夜は、青ざめて、隆一の背中を抱きしめた。
イナバのウサ族は、白旗を掲げ降参し、ナムジに八つの守り神の祝福を告げた。
その後も、ナムジと隆一は、諸国のウサ族を制圧し、西に勢力を拡大する。
稲作に反対し、先祖から受け継いできた風土を守ろうと、兄皇子シコナがナムジに反旗を翻し、内戦状態となった。
戦いは熾烈を極めたが、ついに兄皇子を敗り、ナムジは、東はサチホコダルから西は穴の中海までを支配する巨大国家「オオクニ」を建国。都をイズモに定め、ナムジ自身は「オオクニヌシ」に即位した。
即位式に招かれた隆一は、八つ神への生け贄の儀式で、生け贄として捕らえられる。
ナムジがはじめから自分を殺すつもりだったことを悟った隆一は、抵抗し、盛大に暴れまくった。
毒を塗った矢が射られ、とっさに隆一を庇って身を呈したエヒメが、砂になって消えてしまう。
目の前でエヒメの死を見た隆一は、隠し持っていた手榴弾で自爆する。
だが、激しい爆発は、隆一を、今度は平成の時代にタイムスリップさせてしまった。
ファンタジー
- #歴史ファンタジー
- #純愛
- #弥生時代
- #出雲神話
- #邪馬台国
- #古事記
- #万葉集
- #戦記
- #古代神話