女子高生、川澄苹果の目には人の顔の周りに相関図が見える。
コミックのあらすじページやドラマの公式サイトに描かれることが多いそれ。
一方的な想いや、複数人の関係性。そんなものが現実に見える。
苹果は傍観者として、まるで少女漫画を楽しむように人の恋愛模様を観察していた。
そんな苹果はいろんな人のいろんな恋愛模様を見たいと思い、生徒数が多いマンモス高校へ進学した。
生徒に自主性を重んじるこの高校では、生徒会選挙が非常に盛り上がる。その選挙委員である苹果は放課後、顔合わせへ向かった。
そこにいたのは隣のクラスの鳴海賢人。彼は学校一のイケメンという名がついているだけあってたくさんの女性から好かれ、たくさんの男性から嫉妬されている。
そのせいで、まるで神様の後ろにある輪光のように無数の矢印に指されている。
そんな鳴海とペアを組むことになってしまった苹果だが、相関図が見える力を上手く使って悪影響が起こらないよう地道に立ち回っていた。
その様子や、鳴海に過剰な興味を抱かない様子が逆に彼の目についてしまう。
ずっと傍観者だった苹果が、相関図の中心に飛び込むまでの物語。