マンダリンフィールドの旧家の娘であるアイリーンは、この春大学に入学したばかりであるが、旧家であるがゆえに厳しく躾けられていた。そんな中、気になるのは同じ大学のジャックであり、ジャックと夢の中での逢瀬が唯一の楽しみであった。
アイリーンは小さな頃からこの家に古くからある「くるみ割り人形」に『ジャック』と名付け、親友だった。
『ジャック』はいつしか心を持ち、アイリーンを深く愛するようになる。
夢の中ではアイリーンの持つイメージのジャックの姿を借りて『ジャック』はアイリーンに愛を語った。
ある日アイリーンが夢の中で『ジャック』に望んだことが現実になってしまう。
『ジャック』はいつしか夢魔と呼ばれるものに変質していったのだ。
『ジャック』に魅入られたら逃れることはできない。