冷酷な若き大資産家グレ・イルチェスターは、死にかけの孤児を拾いメッサ・アルジスキーと名付け召使として雇う。エリートの自分では考えられないようなドジを繰り返すアルを異常なほど溺愛しているが、当主としての威厳から素直に接することが出来ずにいた。
グレを心の底から敬愛するアルはなんとか役に立ちたいと、謎の人物から聞いた『召使の専門学校』への入学を希望する。全寮制で離ればなれになるのに耐えられないグレは猛反対するが、入学テストでアルの「主のために死ねないくらい主が好き」という気持ちを知り一転、一度不合格となったテストの再試験のチャンスを作ってまでアルを入学させる。そして自らも身分を隠し入学することでアルと離ればなれになるのを回避し、アルの「立派な召使になる」という夢を叶えるためならどんな手でも使うことを決意するのだった。
変装と偽名で正体を隠しながらアルをサポートしようとするグレ。しかし入学初日から勘違いされ、険悪な関係となってしまう。
他にもイルチェスター家に恨みのある生徒に襲われたり、優秀だけどつねに無気力なカイリ・クートンと、わざとドジっ子メイドを演じるシャーロット・エイリアに隠していた性別がバレたりと災難が続く。
一方のアルは同じく主バカのナジマ・ジレと友達になり、不器用ながらも努力する姿にクラスメイトからも段々と認められるようになっていく。
「主であるグレのために」
「召使であるアルのために」
それぞれの目標のために奮闘する2人。どんなことがあっても壊れることはない不滅の関係に思えたが、謎の人物の手によって引き裂かれる日が刻一刻と迫っていた……。