植物を操る魔法を使う人々が統治する国。地平線の彼方からでも一目でわかる巨大な樹木の上にはその地域一帯を統べる王が鎮座しているとされた。農民のジャックは王都と主要都市を結ぶ幹線道路の近くで放牧を営んでは畜産物を王都に出荷していた。彼には裏の顔があった。貴族の屋敷や商館に忍び込んでは盗みを働き、躾けた狼の群れからキャラバンを救い出し品を盗んでいた。ある日ジャックはいつもの様にキャラバンに狙いを定め、その積荷を狙うが取り押さえられる。ついに罪を償わされる日が来たと観念するジャックに捕らえた青年は取引を持ちかける。王の城に共に忍び込み、一人の女性を拐いたいのだと。この青年はピノキオと名乗り、愛した女性に再び会う為に家を捨てた貴族の次男坊であった。ピノキオの提案に乗り忍び込んだ王城で、ジャックはその国の王女に会う。王女の助けを得てジャックとピノキオは拐われた女性を連れ去ることに成功する。3人を見送る王女に一緒に来るかと誘いをかけるが、今は幼い弟を守らなくてはと断られる。すっかり王女に惚れ込んだジャックは「いつか必ず迎えにくる」と捨て台詞を残し城を後にする。