好きな事さえできたら他のものは要らないと思っていた。
「そうでもしないと男に相手にされないからじゃない?」
「あっはは~、納得」
ただ純粋に好きなことを追及したいだけなのに、なぜそれが叶わない?
この世の中は私に厳しすぎる。
そんな中で出会った音色は、父親の面影を思わせるもの。
安らぎの中に切ない旋律を奏で、幼稚な歌詞たちが並ぶその歌は、いつしか私を虜にしていた。
「私もメンバーに入れて下さい」
「普通のドラム叩きはいらない、ガチャガチャうるせーわ」
歌声の通り優しいと思っていた男は、素っ気ない辛口男子でした。
そんな男はこちらからお断り!
そう思っていたはずなのに、気になって仕方ありません。
え、これって、恋・・・じゃないよね?