【あらすじ】
蒼き竜に護られた音楽の国、リンドブルム。まだ15歳の吟遊詩人の少女・ミュセは、王国主催の音楽祭に参加していた。
この大会で腕を認められれば後援者を得られ、国宝〃王家の竪琴〃を弾くチャンスが与えられる。大会でミュセは素晴らしい歌声を披露したが、何よりも重視される竪琴の演奏は技巧不足であった。
だが彼女の歌を気に入った第三王子ジークロンディア(ジーク)は、後援者に名乗りをあげる。
ジークは密かに王家の竪琴の化身である謎の青年と、とある場所へ旅に出る密約を交わしており、ミュセはそのふたりの計画に巻き込まれることになる。しかし一方でジークはミュセに対し後援者として彼女の夢に誠実に応えようとしていた。お互いがお互いを想いあうふたりは、惹かれあう想いを言葉に出せずにいた。
そのような中、彼らの旅は世界の命運の賭けた戦いへと誘われていく。
【登場人物】
(ミュセ)
辺境生まれの類稀なる歌声を持つ15歳の少女。自らと亡き父の夢をかなえるべく、音楽祭に参加する。王家に忌み嫌われる「歌」の力を持つグリモワール一族の血を引く。力を制御するためいつも首に魔法のチョーカーを付けている。
(ジーク)
王位継承争いからも外れ、音楽の国でありながら武術に関心を持つ第三王子。清廉な性格から民や身近な者から慕われている。王家の竪琴に見込まれたとある力を有する。
(王家の竪琴)
人の姿に変化することのできる竪琴。その正体は聖なる生き物のユニコーン。ジークとミュセの幸せを願いながらも、ミュセに惹かれている。