1519年、一の葦の年――春。
栄華を極めた黄金帝国アステカ。
そこへ訪れたのは、エルナン・コルテス率いるエスパニャからの探検隊だった。
奴隷の娘マリナリは、ある夜、コルテス軍の修道士ヘロニモ・デ・アギラールと出逢う。
それは、ひとつの文明が滅びる足音でもあった。
これは歴史の裏に刻まれたひとりの少女の物語。
※この物語はアステカ時代に実在した少女マリンチェをモデルにしておりますが、
創作を多々含んだフィクションです。
史実とは異なる部分もありますので、ご了承ください。
illustration by 裏花火