サラは突然、異世界に聖女として召喚される。
温かく迎えられたサラはライナス王国の聖女として懸命に尽くす。
王太子カーティスとの婚約、優しい侯爵令嬢の聖女アンジェリカ…サラは幸せだった。
聖女の役目だという大結界を張るまではーー。
大結界を張る日に……サラは皆に騙された事を知る。
国を守る結界に使われているのは異世界から召喚された聖女の命…。
死を前にもがくサラに告げられる騙されていた真実。
「サラは馬鹿な所為で死ぬの!!!ライナス王国の為に利用されて……ね」
必死でもがいた。
最後の力を振り絞って、上に上がろうとした。
ただ、死にたくなかった。
アンジェリカが言っている事が全て本当で、今まで積み上げてきた友情も愛情も全て嘘だった。
本当は大結界の生贄にされる為に初めから皆に騙されて、国に尽くす姿を見て嘲笑っていたのだとしたのなら。
(なんて…なんて惨めなの…ッ)
「ーーー嫌ァァッ!!」
「ありがとう…最後にライナス王国とわたくし達の役に立ってくれて」
死んだサラは全ての元凶である女神に時を戻させて、ライナス王国と聖女に復讐を誓う…!!
(……全て、ぶっ壊してやる)