地位を守るために実の孫さえも殺した王太后や、異民族を虐げ戦乱を招いた王妃、美術品の収集のため国庫を傾けるほどに浪費した王妹など、帝国の歴史には様々な悪女が登場する。
だからこの国ではおとぎ話の継母や魔女が悪として描かれるように、権力を持った女性は悪女として扱われる。
「稀代の悪女ときいてどんな恐ろしい女性かと思っていましたが、案外可愛らしい方でほっとしました。新聞での扱いは誇張ですかね。それとも貴方は、猫を被った蛇ですか?」
「私は猫でも蛇でもないよ。悪女っていうのは無理には否定しないけど、積極的に認める気もないから」
これは、彼女が
正真正銘の悪女になるまでの物語。
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