「あなたに会いたかった」
栄翠蘭(えいすいらん)は祖国を滅ぼした男にそう言って笑いかけた。
突如として国を襲い、翠蘭の大切な人を奪ったのは大国の皇帝、巴峯雪(はほうせつ)。
「たとえこの身が朽ちようと、私の魂は滅びない。必ずお前に復讐してみせる」
仇の顔を目に焼き付け、翠蘭は自らの首に剣をあてがった。
――そこで彼女の十八年の人生は終わったはずだった。
再び目覚めた彼女は、滅ぶ前の栄に転生していた。
しかし当たり前だと思っていた平和に溺れるほど、翠蘭は愚かではない。
「復讐の機会を与えられた、ということなのかしらね」
二度目の人生を生きる彼女の目的は、すべてを奪った男への復讐。
奪われたものを守り抜き、元凶を退けるはずだったが……。
「お前を愛している。ともに生きるためならば、千の国を滅ぼしても構わない」
翠蘭の殺意を知りながらも愛を囁く峯雪。
彼が抱く強い執着心の理由とは。
そして翠蘭が二度目の人生を与えられた理由とは……。
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