庸国皇帝の招きにより、呪封師の天御門星は和国から海をこえてやってきた。
若き皇帝雷烈の姿を見た瞬間、星は驚愕する。
皇帝に鬼の気配がしたのだ。星にとって鬼は双子の兄の敵。
「ここで逃げるわけにはいかない」
兄を殺した悪鬼の行方を追い、男装して庸国にやってきたのだから。
皇帝の頼みで後宮内の化け物を祓うことになった星だったが、ある事件をきっかけに星が女であることが雷烈に知られてしまう。
「女の匂いがする。皇帝をだますとはいい度胸だ」
「あなたこそ鬼の気配がするではありませんか!」
咄嗟に言い返すと、雷烈は満足そうに微笑んだ。
「やはり気づいていたか。そのとおり、俺は鬼の血を引いている。母が鬼だったのだ」
若き皇帝の真の目的は、星に鬼の力を封印してもらうことだった。
互いの目的のため協力することになった二人だったが、雷烈には強力な呪いがかけられていることがわかり……。
大きな秘密を抱えた二人の中華後宮ファンタジー。