あやかし三つ子のすぅぷやさん

作者蒼真まこ

「ごめん、別れてほしい」
長くつきあった恋人から突然別れを告げられた琴羽。「私は平気。世の中にはもっと大変な人がいるんだから。泣いてる時間なんてない」自分自身をなだめながら、多忙な仕事に向き合う日々。
「いつからだろう。何を食べても美味しいと感じなくなってしまったのは─」
いつしか食べることへの興…

「ごめん、別れてほしい」

長くつきあった恋人から突然別れを告げられた琴羽。「私は平気。世の中にはもっと大変な人がいるんだから。泣いてる時間なんてない」自分自身をなだめながら、多忙な仕事に向き合う日々。

「いつからだろう。何を食べても美味しいと感じなくなってしまったのは─」

いつしか食べることへの興味を失い、「美味しい」と感じなくなってしまった。

そんなある日、電車を乗り過ごして降りた駅で道に迷ってしまう。ようやく見つけた明かりの先には小さなレストラン。『すぅぷや 鎌切亭』少し物騒な名前のお店の扉を開けると、美しい三つ子の兄弟が琴羽を優しくもてなしてくれるのだった。ところが美形の三つ子兄弟には怪しげな秘密があるようで……。


心に傷を負い疲れきってしまった人間と、謎めいた三つ子兄弟が営む不思議なスープ屋の物語。


二万字以下の短編ファンタジーとなっておりますので、お気軽にお読みいただければ幸いです。