精神退行した廃王に仕えることになった女料理人を主人公にした中華風の短編です。

※カクヨムなどにも掲載しています。

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 宵鈴は出来上がった粥を鍋から器によそい、薬味の生姜や葱と一緒に盆に載せた。付けあわせには、油で揚げた餅と根菜の塩漬けを用意した。


 いつもと同じように、宵鈴は食事の載った盆を持って暁王のいる部屋に向かった。廊下は暗く、夜気に冷えていた。