狂王の支配する異世界にいた、運命の人は不憫でした。

作者名瀬口にぼし

異世界にやって来てしまった女子高生・野々山七瀬。七瀬はその世界で神聖な客人として歓迎されるが、そこは美しい自然とは裏腹に、国王の独裁による恐怖政治が行われていた。
処刑と洗脳を駆使する猟奇趣味の狂王ディオグにドン引きしつつ、彼に虐げられる従臣の青年リウンに心惹かれる七瀬。だが自分は無力な客人でしか…

サソリと花



七瀬の同情を自分の嗜虐趣味と並べるディオグは可笑しく、そして正しかった。


だから彼は王なのだと、七瀬は思った。