「奥の恋文」完結しました。
この話は当初別のコンテストに出そうと長編の予定でプロットを立てて書きはじめていました。
ですが途中で、本当にこのコンテストに合った作品なのか、これでいいのか悩んでしまい……。
悩みに悩んで悩みぬいた末に、ことのは文庫さんのコンテストに向けて書くことに決めました。
というのも、作品に込めた想いや伝えたいことがテーマと合致していたからです。
長編予定だったプロットを中編に直し、最初から書き直す…という感じで進めたのですが、5万文字というのは意外にとても難しかったです。。。
書き込みすぎると長くなってしまうし、書かなすぎると伝わらないので。
ですが、執筆はスムーズに進めることができました。
作品についてですが、単純に私は江戸時代が好きなので、江戸時代の小説をいつか書きたいと思っていました。
ベースに江戸時代というものがあり、そこに更に好きな「大奥」という舞台を用意する。
次に、その大奥でどんな主人公が何をするのかを考えました。
一般的に大奥と言えば、女達のドロドロ嫉妬蹴落とし大会みたいな昼ドラ(古い)展開を想像するかもしれませんが、大奥について調べれば調べるほど、そういった世継ぎ争いとは無縁の女中たちのほうが大多数だったと分かりました。
なので、将軍の関係ないところで起こるお話にしようと決めました。(個人的にはドロドロも好きですが)
そして、ある日何気なく自分の苗字(とっても珍しい本名)について調べた時に、ピンときたというか、そこからどんどんアイデアが湧いてきました。まさか自分の苗字から思いつくとは…。
(以下、話の内容に触れています)
主人公のお里沙は、見えない者(亡霊や妖)が見えてしまう娘です。
(※主人公の名前がなかなか決まらずに、実は一番苦労した)
お里沙の親はそんな娘に対して「普通ではない」と言って嫌い、遠ざけます。
普通じゃない、他の子と違う。親が他者と比べる。そんな子は現代にもいるのではないかと思います。
だけど普通ってなんだろう?なぜ違ってはいけないのだろう?という思いも常に持っていました。
そんな思いから、より小説として伝わりやすいように亡霊が見えるという特徴を持たせ、今回の主人公が生まれました。
とある亡霊の子供と出会うのですが、その子は自分の本当の気持ちを隠し続けているがために、成仏できずにいます。
その子を成仏させるために主人公がある提案をするのですが……。という感じです。
最初に亡霊のイケメンにも出会いますが、イケメン出せばいいとかそういうことではなく、彼はお里沙が亡霊と対話し、成仏させるために必要な存在です。そしてお里沙自身の心を動かすためにも必要でした。
(でも小説に出てくるイケメン好きなので、書いててテンション上がるから単純に出したかったという思いもある。笑)
「泣ける文芸」というテーマですが、泣けるかどうかは読んだ方々それぞれなので分かりません。
でも書き終わってみると、やっぱり私の伝えたいことって、話の内容とか作品の色は違っても常に同じなんだなと自分で思いました。それを伝えるために小説を書いているのかも…みたいな。(でも時には全然関係ないバトル物とか書きたくなる)
親に愛されず、自分が嫌いだったお里沙がどう変わるのか。
お里沙というよりも、周りの人達のお里沙に対する気持ちはどうなのかとか、お里沙にかける言葉とか、そういうところで何か感じていただけたら嬉しいです。
そして、時代や舞台が現代とはかけ離れていたとしても、そこに生きる人達の悩みとか苦しみって同じなんだろうなと想像して書いたので、「江戸時代?あんまり読んだことないなー」と思わずに、是非読んで下さると嬉しいです。中編なので読みやすいかと。
話し方や表現なども、時代小説ではなくエンタメとして楽しんでもらえるように自分なりに書いたので、どうぞよろしくお願いします。
次も江戸時代の話を書きたいなーと思いつつ、悩み中です。
小説については、頂いたお仕事を精一杯頑張りつつ、こういったコンテストなどにもどんどん挑戦していけたらいいなと思っています。
私の夢は1つ叶っていますが、まだまだ叶えたい夢があるので。
スノーボードの平野歩夢選手みたいに夢を叶えられるよう、とにかく努力を重ねて諦めずにこれからも小説を書いていきたいと思います!
ちなみにコンテスト終了した後、この作品は結果次第で長編に書き換えるか、もしくは続きを書いて他のサイトにものせたりしようかなと思っています。(のんびりになると思うけど)
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!