16世紀あたりのころだっただろうか。ユーラシア大陸のほぼ全土を領土とするソラルート帝国の数ある貴族の中でもトップに君臨するリシャール家。一族の資産を合わせたら帝国がもう一つできると言われるほどの大貴族の四男である、ジャック・リシャール。
彼は貴族であるにもかかわらず、身分とか一切気にしない人間に成長してしまい、その出来損ない(貴族基準)をいつまでも置いておけないとリシャール家が下した決断は、彼の隔離だった。
具体的には、領地の開拓というやりがいのある仕事とある程度の金(日本円で7000億円)を渡して体のいい厄介払いと洒落込もう、とそういうわけである。
貴族社会から完全に追い出すような話である。
これにはさすがの彼も落ち込むだろ・・・って、あれ?なんか生き生きしてない?
これは、貴族社会から追い出された少年が、屋敷にいた使用人の少女と、親友とその妹と、あと集めた人手と共に平和に開拓していくあくまで平和な話である。