北の方で平凡に暮らしていた女子高生・早川優衣(はやかわ ゆい)は、ある日、雨降りのバス停で気妙な妖精・ちっさいおじさんに出逢う……。
なりゆきで始まった同居生活。その日を境に見るようになる前世の夢。
初めて見た夢で、優衣は前世での夫に遭遇する。若い軍人達を率いて指揮を執るその人は、クラスメートの大谷(おおたに)にそっくりだった。
次に見たのは、戦地に向かう大谷にそっくりな軍人を見送る夢。泣きながら見送った優衣は、そこが明治27年の日本だと理解する。
夢を見る度に募る、大谷への想い。
明かされていく前世の謎……。
前世と現世をちっさいおじさんと共に駆け巡りながら、恋や友情に臆病な優衣が逞しい心に成長していく。