主人公は樹木師のノエル・ロダン。異世界に飛ばされた「植物のお医者さん」である。助手で相棒のニナ・バードとともに、植物の病気を治すべく、国から国へと旅をしている。
ノエルは魂のみ転生した状態であるため、実体がない。そのことに、常日頃から言いようのない焦燥感に駆られている。
依頼を受けて訪れた村では、麦の伝染病で麦畑の麦の穂が実らず、村人たちは飢えを恐れていた。
麦を診察し、症状を分析するノエル。現状の麦畑の麦の病は、治せないとの結論に至るも、別の抵抗品種の麦を植えれば、麦畑は復活する、と村人たちを勇気づける。
その夜、依頼主の村長が自殺を図ろうとしていると見抜く。麦が病原菌に感染したのは、村長が購入した農耕具が原因であった。死んで、責任をとろうとする村長をノエルとニナは、村長を必死に説得する。
村長は二人の説得に、生きて償う方法を考えることを誓う。
当面の飢えへの解決策を提案し、村人たちから感謝されるノエル。
旅立ちの日、魂のみの存在であるノエルは、仲良くなった少年から差し出された握手に応えられない。
そんな中途半端な存在である自分への虚無感を抱えていることを改めて突き付けられる。
いつか、自分の体を取り戻し、自分の生まれた世界に帰りたい。けれど、この世界で植物の病気を減らす樹木師としての役割を全うしたい。
そんな相反する思いに引き裂かれながらも、ノエルとニナは次の目的地へと向かう。