ナルシスト先輩は、まっすぐな目で、言った。「君の悪夢はそこにあるのか」
ナルシスト先輩と夢の中
吉田紬希は苛立っていた。というのも、もう半年もの間、悪夢を見るせいで、きちんとした眠りにつけていないせいだった。そんな紬希を見かねた、友人の早瀬咲は、大学西館の三階、AV資料室に睡眠のエキスパートがいて、眠りに導いてくれるという噂話を教えた。
資料室を訪れた紬希は、白熊季仁と名乗るナルシストの変人と出会い、盛大にけんかをすることになる。
しかしなぜか、翌日から季仁に追い回されることになるのだった。
そしてある日、紬希季仁の正体が『獏』だと知ることになる。
そのまま彼女は眠りにつき、夢の中を季仁と駆け回ることになるのだ。