物語全体のあらすじ
8歳の時に両親を交通事故で亡くした少年斎川亮は、親戚の西城啓に引き取られます。しかし、彼は周囲からの評判のみを気にする男であり、亮を引き取ったのも善意ではなく自分の評判を上げるため、さらには亮に暴力を振るう男でした。亮はそんな男の元で1年間暴力に耐えながら生活します。
ある日、仕事ができなかった罰として雪の降る夜、亮は薄着のまま外に放り出されます。氷点下の寒さですぐに手足は冷たくなり、段々と意識がもうろうとし倒れてしまいました。
亮は目が覚めると知らない家のベットに寝かされていました。
水上萌という人が倒れている亮を自宅まで連れて保護してくれたのだといいます。
しかし、虐待の経験のある亮は初めは警戒していましたが、啓のいる場所に戻りたくないため夫婦二人の泊まってもいいという好意に甘えることとしました。そのため、何か役に立たなければ何時気が変わって追い出されるかもしれないという恐怖があり、しきりに何か手伝えることはないかと二人に聞き、皿洗いを任せられます。
皿洗いを任せられ数日したある日、亮は皿を割るというミスをしてしまいます。
この時亮は虐待の経験からきっと、殴られて追い出されると身構え恐怖しましたが、二人は皿を割ったことをとがめるどころか亮の手が傷ついていないか心配してくれました。
誰かに心配されるという経験をこの1年間忘れていた亮はひどく驚きます。
そして次の日二人に遊園地に行くぞと突然告げられ、亮はびっくりし理由もわかりませんでしたかが二人についていきました。
その日の終り、亮は二人に何故連れてきたのかの理由を尋ねます。そうすると二人は連れてきたのは亮に楽しんでほしかったからといいました。遊園地に連れてきたのは二人の不器用なやさしさだったのです。
亮はそんな不器用ながらも二人のやさしさに触れることで、段々と心を開いていき…