リアルな恋愛経験がない主人公「岬」が、神様と呼ぶことになる男性と出会う。ある日、『バーチャルの世界で決して叶わない恋』とわかっていながらも、信じて待つことだけしかできなかった日常に苦しんでいた自分をある男性に救われる。彼は一切自分を傷つけるようなことはない、少し年上ながらとても紳士な男性。現実世界に引き戻してもらえたことで岬はその男性に惹かれるも、恋愛経験が無かったが故に「好きだ」という感情がいまいちわからない。ある日彼の部下から「先生が脳腫瘍で倒れた!非常に危険な状態で緊急手術が必要。手術は行うも、意識が戻らなかった時には臓器提供の意思を示されている」と聞き、居ても立っても居られない心境の中、初めてその男性が「先生」と呼ばれている立場である事を知る。と同時に自分を救ってくれた男性が「手術後に昏睡状態の中でうわ言の様に自分の名前を呼んでいる」と聞かされ、この時初めて『自分は彼を好きなんだ』と気付く。身体は回復するものの、記憶障害により記憶を失ってしまい居場所がなくなってしまった彼に対し、岬は「結婚することで自分を救ってくれた神様に添い遂げる」という決断をするのだがその結末は・・・。純粋な愛情が生んだ化学では証明できない愛の形に、あなたは涙無くして最後まで読み終える事が出来ますか?