征服戦争を推し進める魔導帝国と、反抗勢力の闘いが続く帝国首都。
故郷を失って異邦から流れて来たソーリャは、その街の酒場で働く孤独な女。ある時、絡んで来た兵隊から助けてくれた男と身を重ね、ささやかに暮らしていた。
しかし、そんな日々は唐突に終わる。その男は、英雄となるべきさだめを負っていた……。
彼を追って現れる、もう一人の女。押し寄せる、武装兵。
迷宮のような路地裏で、銃が閃光を放ち、剣が闇を切り裂く。
大きな物語が、その男を中心に回り出す。
ソーリャは、ただの女。神秘の魔法も、身の丈を超える剣も、扱えない。
それでもなお、死地と化した路地へ飛び込むのは、男の窮地を救い、彼を首都の外まで導くため。
暗い世界には、闇をはらう太陽が必要なのだ。
これは、世界を救う英雄の……傍らを彩った『ただの女』の物語。
※この作品は『ノベルアップ+』さま、『ノベリズム』さまに重複投稿しております。
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