晃、晴人と沙希は、小さな町に住んでいるたった三人の小学生だった。ある日、三人はいつものように山で遊んでいたが、沙希が崖から落ちて死んでしまう。二人は沙希を殺したことを、二人だけの秘密だと黙っていることにした。
十年経ち、二人は高校三年生になった。そこに現れたのは沙希の母、正子。彼女は二人に、沙希と冥婚をしてほしいと頼む。逃げても逃げても正子は現れ、二人に迫る。痩せ細り鬼気迫る彼女に、二人は彼女がすでに死んでいて、自分たちを呪っているのではないかと考えた。
二人は沙希が眠る墓を訪れる。ここに正子の名前も刻まれていれば、すでに死者だということだ。しかし、墓石の文字には無数の傷が付けられ、読めない状態になっていた。なすすべもなく追い詰められる二人。晃は晴人だけでも救いたいと考えたが、それは晴人も同じだった。二人が逃げ、抵抗する。そんな思いも空しく、二人は正子に飲み込まれた。
晃と晴人が消えた瞬間、町が明るくなる。実は二人は沙希が崖から落ちた直後に助けようと、手を繋ぎながら崖を下りたが失敗し、三人とも死んでいたのだった。崖の下には三つの墓標が陽に照らされていた。