福井県福井市森田地区。
高校の陸上女子百メートル競走で、新記録を樹立した立花柑奈。
だが、その直後に倒れ、それから二年間、彼女は病院のベッドで眠り続けていた。
柑奈の幼馴染みで同じ陸上部の吉田結衣は、柑奈が入院してから一日も欠かさずにお見舞いに通い続けていた。
柑奈と競走することが何よりも大好きだった結衣は、走る目的を失い、陸上部も辞めていた。
そんな結衣の通う高校に、転校生が現れた。
転校生の水城真菜は結衣を知っており、執拗に再び走ることを求める。
それと同時期、眠り続けていた柑奈が目覚めへと向かっている兆候が確認される。
目覚めるかもしれない柑奈のために再び走ることを決意する結衣。
敬遠していた水城とも、次第に仲を深めていく。
そして、手術によって簡単な意思疎通ができるようになった柑奈と会話を試みる結衣だったが、そこで柑奈の秘めた思いを知るのだった。