男性に苦手意識のある月山麗《つきやまれい》は母親の再婚を機に兄が出来る。ある日、二人で買い物に出かけた際に二人とも事故に遭い、次に目が覚めた時には見知らぬ豪華な装飾品で溢れた部屋だった。
混乱する麗は部屋に入ってきたメイドの格好をした女性が連れてきた三人に抱きしめられた瞬間、自分が公爵令嬢のレイチェルに転生したことに気が付く。
10歳の誕生日に婚約者に会うとそこには前世で兄となった大和《やまと》の面影が残る同い年の男の子の姿が。例え別人であったとしても、もう二度と会えないと思っていたかつての家族に会えたことで涙を流すレイチェル。
血の繋がりこそないが前世で一度は家族として一緒に暮らした兄と同じ顔を持つ婚約者に恋愛的感情が湧かないレイチェル。
それでも優しく自分のことを大切にしてくれるアランにレイチェルは次第に心を開いていく。
元家族の義兄にそっくりな婚約者と主人公の幼馴染みとの三角関係……かと思いきや二人の登場人物によって複雑に絡み合う人間関係。おまけに婚約者であるアランにはある秘密があった。