新人漫画家、市松立花(いちまつりか)は、念願の初連載を果たすが
幼い頃の初恋の女性をモデルにしたはずのヒロイン『アマリ』が、
高級ラブドール『微睡み3号』に酷似している、とネットで炎上してしまう。
「俺が憧れていたのは、死んだ父親の性処理道具だったのか」と初恋の幻想がぶち壊される、最悪のデビュー。
落ち込む立花だが、高校の漫研時代の先輩に連れていかれたバーで出会ったキャスト『トモエ』に優しくされたことで立ち直る。奇妙なことに、『トモエ』は『アマリ』、『微睡み3号』とそっくりの容姿だった。
自分の妄想でも、ダッチワイフでもない、生きた理想の女性に巡り合えた!
漫画を描く気力を取り戻した立花だったが、衝撃的な事実を知ってしまう。
泥酔していて気が付かなかったが、先輩に連れていかれたのは女装バーで、『トモエ』は、犬塚タケルという男性が女装した姿だったのだ。
しかも、声優のたまごであるという彼から
『俺があの店で働いてると吹聴しやがったら殺す』
とドスのきいた声で脅されてしまう。
再びショックを受ける立花だったが、既に彼のことが気になってしょうがなくなってしまっていた。