中学校の行事でキャンプに参加中だった鴨根李都(かもねりと)は気付けばジャングルの中にいた。助けも無くさ迷う李都はサバイバル生活を強いられ、不思議な鳥ゲッちゃんと犬のデンちゃんをお供に日々を送る。
そんな李都の生活に変化が訪れたのは夏の終わり、ジャングルの入り口に置き去りにされた荷車を拾う。
荷車の中には『まだ見ぬ君へ』と手紙があり、淡い恋がつづられた文章に李都は手紙の主を『紳士さん』と呼んでいたのだが、春、またしてもジャングルの入り口に荷物……ではなく、獣の耳と尻尾を持った男性、イクシオンが倒れていた。
イクシオンを助けた李都は彼から『オレの番』と言い、李都を溺愛していく。
李都が大人になるまで『婚約』という形をとる。
しかし、イクシオンには困った兄がいるという、その兄こそ、獣人国ヴィンダムの王だった。
正当な王家の血筋を持つイクシオンを支える人々は、イクシオンが王になる事を望むが、イクシオンは李都と平凡な生活を願う。李都もイクシオンが静かな生活を望むのなら、と思っていたのだが……李都が発案する物が広まる度に、イクシオンの支持も上がっていき、李都はイクシオンを助ける為にイクシオンの治めるヴァンハロー領の人々と奮起する。
李都は持ち前の明るさと元気の良さで周りを巻き込み、周りからも愛されて幸せな日々を手に入れた李都だったが、冬の大型魔獣討伐で李都は大怪我を負い、元の世界へ――。