限られた人間のみが持つ、精霊や魔物を目で見ることができる能力。その能力を持つ人間の中には稀に精霊や魔物と対話することもでき、魔力を借りて人間界へ影響を与える術である「魔術」を扱える者がいる。
その魔術を使って人の生活をさらに便利にする仕事を、「魔術師」と呼ばれる人間たちが担っていた。
一宮花音は、そんな魔術師を目指して国立魔術師養成学校高等部に通う2年生。偉大な功績を残した魔術師の祖母を持ち、魔術師としての活躍も期待されていた。が、花音の魔術の成績はいつもほぼ最下位。契約できた使い魔も全くいない。
そんな花音に、学校の課題として“使い魔と契約し、使い魔を使役するカリキュラム”が与えられる。
――成績は悪くても、ちゃんと学校は卒業しなくちゃいけない。そのためには、早く使い魔と契約しなきゃ……!
「お前と契約して使い魔となり、力を貸してやってもいいぞ」
焦る花音の前に現れたのは、ベリトという悪魔だった。
「期間は1か月間、修了試験までのカリキュラムを全て終えられれば契約終了です」
期間限定の使い魔として契約した、花音とベリト。
しかし、ベリトが花音の使い魔となったのには理由があるようで……
「花音で憂さ晴らしでもしてやろうかと思ってな」
花音は無事、ベリトと修了試験をクリアできるのか――。