「――それでは、良い夢を」
高校二年生の橘颯太(たちばな そうた)は謎の女の声と世界が崩壊する夢を見た。
おかしな夢なせいで早起きしてしまった颯太はいつもより早く学校へ向かう。そこではすでに今日来る転校生の話で持ち切りだった。
転校生の名前は天利小羽(あまり こはね)。だが、彼女の顔は六年前に亡くなった颯太の旧友・染井冬花(そめい ふゆか)とよく似ていた。
突然現れた天利に戸惑う颯太だったが、愛犬との散歩を目撃されたことにより彼女と距離を縮めていく。
「冬花ではない。でも、冬花に似ている」
天利に惹かれるうちに複雑な感情を抱く颯太。
だが、天利が「転校生」として矛盾する行動をとったことにより、彼女の存在に疑念を抱いていく。
旧友の死に罪悪感を抱く少年と、そんな彼女によく似た少女。
惹かれ合う二人の先に待ち受ける「世界」の噓とは、一体――……。
※コンテスト用。期間限定での公開予定です。
※以前別名義・別サイト(現在非公開中)で似たような話を投稿しています。
応募要項より「応募者自身で作品の修正・削除等が可能な非営利目的の小説投稿サイトで発表された場合は未発表」ということに基づいて投稿致しました。