永瀬赤矢は、色宮学園に通う普通の高校生。
ある雨の日、赤矢の住んでいる寮の前で倒れている少女がいた。
「ーーーー羽?」
その少女には白鳥のような美しい白い羽が生えていた。
赤矢は、そのまま彼女を放っておける訳もなく、部屋まで運び看病する。
次の日、少女の体調は回復したようで雨上がりの虹が架かる空を見上げていた。
「私は、もう一度あの空へ飛ばなければならない使命がある。」
そう呟いた彼女の言葉は、赤矢に向けられた言葉ではなく、まるで少女自身に言い聞かせているようだった。
虹の架かる青空。それに照らされた白い羽。
その光景は、どんな言葉でも形容し難いほど、ただただ美しかった。
『 虹がかかる空へ、この羽を信じて 』