私、月清華(つきせいか)。小学5年生のフツウの女子だ。友達だって、多くはないけれど、いるし、学校生活だってとっても楽しい。趣味の読書だって、大好きだ。でも……私は、断れない。断り方を知らない。だから、なんでもうなずいてしまう。友達からの誘いも用事があっても断れない。そんな自分が嫌いで、嫌いで……そんなときに、降ってきたのは桃太郎の絵本!? その本を拾ったら、ピカピカと輝き出した……どういうこと? と、混乱していた。そこに現れたのはちょっぴり不思議で無愛想な転校生・太陽海斗(たいようかいと)くん。桃太郎の絵本を落としたのも、彼らしい。何事かと思ったら、彼に物語を救ってほしいと頼まれて……? 本に取り付く妖怪『ジクイ』が桃太郎に取り憑いてしまった!? このままだと、桃太郎の絵本はめちゃくちゃになってしまうの!?
そんなのは、絶対にイヤだ! 救えるのは『月』の私だけ?
でも、救うには本の世界に飛び込まなくてはならなくて……すごく、怖い。
しかも、太陽くんはなにかを隠している? たくさんの不安を抱えながらも、私は、私のために、行動したい……!!
これは、断れないからやるんじゃない。私の意思でやるの。
青春
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