母のことが大好きな父を見て育った亜子は、自分もいつか大好きな人と結婚する、それこそが幸せなのだと思っていた。好かれている母より、好きでいる父の方が幸せに思えた。そんな亜子は生まれつき心臓の弱い双子の妹の果子と共に成長していく。
大学生となった亜子はある日、地震によりエレベーターに閉じ込められてしまう。すると男の人が扉の向こうから声をかけてくれた。不安な時間を共に過ごす顔の見えない二人は、ずっと抱えてきた自分の過去の思いを話すことが出来る。けれどその男の人は助けを呼びに行ったまま戻って来なかった。
そのことが心に残ったままの亜子は一年後小学校の先生になっていた。そして思いがけずその時の男性・語と再会を果たす。けれど語に拒絶された印象を持つ亜子。
そしてその半年後、亜子はもう一度語と出会い、漸く思いが通じる。二年後の結婚式の時、語へとバージンロードを全速力で突っ走っていく亜子。大好きなことはいいことばかりじゃなく、好きな気持ちが大きいほど傷も深くなるのかもしれない。それでも一緒に生きていこうと思う亜子だった。