自他共に認める在宅ストーカーを相棒に、誰かのために進む、犯人探し。
マクデブルクの半球
ある夜、電話がかかってきた。ただそれだけの、はずだった。
高校時代、自分と折り合いの付かなかった優等生からの唐突な電話。それが全てのはじまりだった。
電話をかけたのとほぼ同時刻、何者かに突き落とされ意識不明となった青年コウと、そんな彼と昔折り合いを付けることが出来なかった、容疑者となった女、ユキ。どうしてこうなったのかを調べていく内に、コウを突き落とした容疑者はどんどんと増えてきてしまう―――
「犯人を探そう。出来れば、彼が目を覚ますまでに」
これは、自他共に認める在宅ストーカーを相棒に、誰かのために進む、犯人探し。