「魔族を食べたら魔力が得られる」という理由で魔族食が奨励されている世界。
商人に狙われている魔族の子供シープと、貧しい人間の老人のリチャードが出会った。
最初は子供を売り飛ばすつもりで手元に置いていたリチャード。
だが、互いに肉親を失った寂しさから、だんだんと心が通い合い家族のように親密になっていく。
しかしシープの血肉が奇病に効くことを知った住人たちは、「彼を食べさせろ」と要求する。
最初は拒んでいたものの、魅力的な条件に心が揺らいでいくリチャード。
彼が最後にした決断とは?
「大事なものを自分の手で壊す痛み」がテーマの作品。